レポート
東京総合医療ネットワーク説明会開催
「カルテをつなぐ、人をつなぐ」掲げ良質な医療提供をめざす

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東京総合医療ネットワーク運営協議会(事務局:東京都病院協会)は10月25日、東京都医師会館で「東京総合医療ネットワーク説明会」を開催した。
当日は150超の医療機関から、300人超が参加した。同ネットワークの趣旨や参加手続・運用などについての説明があった。

ビッグデータ活用を視野に皆で育てていく

協議会の会長を務めることになった尾﨑治夫・東京都医師会会長が挨拶した。「ネットワークのスローガンは『カルテをつなぐ、人をつなぐ』。単に電子カルテや地域連携システムをつなぐだけでなく、人、すなわち患者さんやそれを取り巻く医療提供者をつなぐことで良質な医療を提供することが目的である」と語った。
さらに同ネットワークを通じて医療機関が患者の状況を正確に把握することで、転院の際に患者が初めて受診する病院でも、患者自身による経過説明が不要になったり、検査や投薬の重複を防止したりといった、患者の肉体的・精神的負担軽減につながる可能性に言及し、医療提供者の労務負担軽減につながる可能性にも触れた。
続いて同協議会副会長を務める河北博文・東京都病院協会会長が登壇。「双方向でカルテの内容をやりとりできることはとても良いことだと思う。こうした試みを今後、長年にわたって継続できるようにすることは、東京都病院協会、東京都医師会の責任だと考えている。将来的にはネットワークに貯まったデータをビッグデータとして活用するなど、大きな可能性を秘めている。皆様からもご意見をどんどん頂きたい。皆でネットワークを育てていこうではありませんか」とネットワークへの期待を述べた。

患者情報共有を質・量ともに
充実させ、医療の質向上へ

続いて協議会理事の目々澤肇・東京都医師会理事が同ネットワークの考え方などを紹介した。
同ネットワークは東京都内の病院・診療所等の医療機関が電子カルテを利用して診療情報を相互に公開し、患者の同意を得たうえで参照できるようにする仕組み。地域医療連携システムを共通のIHE規格で接続するため、特定のシステムに依拠することなく、異なる地域医療連携システムをもつ医療機関であっても、診療情報を閲覧することが可能となる。
システム上のカバー範囲についても配慮している。現在、都内で稼働している病院関連の地域連携システムを調査したところ、富士通の運営する「HumanBridge」が45%、NECやSECが運営する「ID-Link」が25%で、両者を合わせると70%が2社で占められていることがわかったという。
そこでこの両者のシステムの接続に着手し、IHE規格による「データセンター間接続」を用いて繋ぐことで、SS-MIX2形式で格納されたデータを双方の電子カルテ画面にて相互のデータを参照・閲覧できることが確認された。
さらに両者以外のシステムでも、原則としてIHE規格に準拠したシステムであれば、どのシステムでも参加できる仕組みになっている。すでにクラウド型 電子カルテの「DigiKar」「Clipla」「Noax」が参入を表明するなど、ネットワーク網は着実に整備されつつある。
まずは3〜5病院群でモデルケースとしてスタートし、2018年4月から正式に稼働予定。協議会理事の林宏光・日本医科大学付属病院教授は、参加医療機関は運用しながら段階的に増やしていく考えを示した。
参加するには地域医療連携システムの導入作業、または既に稼働中のシステムの同ネットワークへの設定作業を行うことが必要になる。連携に必要となる医療機関ID(OID)は事務局から発行される。
ネットワークに参加する医療機関が閲覧可能な情報は、現時点では処方、注射などのオーダーや検体結果などに限られているが、標準化の進捗に伴い、入院中の情報やアレルギー情報なども共有できるようになる。
「アレルギー情報の伝達が可能になるのはとても大きい。これが伝わっていないために患者さんが亡くなり、『想定外の死亡』ということで医療事故調査制度の対象になったケースもある。さらに、参加医療機関が増えれば、それだけ開発業者に対する要望も通りやすくなる」(林教授)

東京総合医療ネットワーク説明会概要

日 時: 平成29年10月25日(水) 午後7時00分~8時30分
場 所: 東京都医師会館2階講堂 及び5階会議室
参加者数:350名 参加団体数:170団体

プログラム

午後6時00分 開場
開会までの間、協議会事務局及び関連企業によるブースでの説明・相談を実施いたします。
午後7時00分 開会・挨拶
尾﨑治夫 (東京都医師会会長・東京総合医療ネットワーク運営協議会会長)
河北博文 (東京都病院協会会長・東京総合医療ネットワーク運営協議会副会長)
午後7時10分 地域包括ケアを支援する東京都医師会の取り組み
~医療連携ネットワークの重要性~
目々澤 肇(東京都医師会理事・東京総合医療ネットワーク運営協議会理事)
午後7時30分 東京総合医療ネットワークについて
林 宏光 (日本医科大学付属病院教授、東京総合医療ネットワーク理事・運営委員会委員長)
午後7時50分 参加手続きと運用について
東京総合医療ネットワーク運営協議会事務局
午後8時10分 質疑応答
午後8時30分 閉会
閉場までの間、協議会事務局及び関連企業によるブースでの説明・相談を実施いたします。
午後9時00分 閉場
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